ベトナムで生活するということ~子連れ女性の思い




今朝、ネットのニュースを眺めていたら、タイで邦人女性が、幼い子供2人を残し、住んでいた高層ビルから飛び降りた、という記事を見ました。

本当に胸が痛みます。ご冥福をお祈り申し上げます。

駐妻さんは決してラクなんかじゃない

駐妻さんという言葉は好きじゃないのですが、ここでは便宜上そう使います。

旦那さんの海外赴任に同伴している奥様のことですね。

ツイッターでは、「タイ駐在の会社員は、日本からの出張者とかの相手で、オネーチャンのいる店に深夜までいたり時には朝帰りのことも多く、駐在妻さんたちは孤独を感じることが多い」なんてコメントがついていました。

今回のケースがそうだったかどうかは分かりませんが、ともかく子連れで異国に来なければならなかった境遇で、一事が万事、日本のようにはいかないのが日常。

もし心を割って話すことができる人が身近にいなければ、とてつもない閉塞感を感じることは想像に難くありません。

私は独身時代にベトナムで働いていましたが、駐在者の奥様たちがどれほどの苦労をしながら子育てをされていたかなんて、気にもかけていなかったです。

でも今実際に、自分が子連れでベトナムに来て初めて、あのときの奥様方の状況に思いをめぐらすことができます。

シンプルに、大変ですよね。もちろん、楽しいことだってあるけど。

こちらで子育てをする日本人女性の方々からは、

「ベトナムは日本より子育てしやすい」

「ベトナム人は子供好きだから、レストランに行っても従業員がかまってくれる」

「お手伝いさんがいてくれるから、ほんとに助かる」

というようなことを多く聞きました。

でもそう思えることだって、個人差があるのではないでしょうか。

そもそも他人に子供を見てもらうことに抵抗を感じる人だっているし、家にお手伝いさんが長時間いることについて居心地よく思わない人だっています。

便利さでいったら、絶対に日本に軍配が上がるので、子育てが逆につらく感じる人だっているでしょう。

買い物一つとったって大変です。

タイの事情は分かりませんが、ハノイではそもそも、「このくらいなら大丈夫だろう」レベルの食材を見つけるのも大変。まず、あのスーパーではこれが買えそうだ、この市場ならこれが買えそうだ・・・こっちの方がモノが良さそうだ・・・試行錯誤と見極めから始まります。

幼児がいるならなおさら気を遣います。

ハノイでは買い物が一つのスーパーで済ますことがなかなかできません。

小さなお子さんを連れて、毎日スーパーに出かけたり、時にははしごしたり・・・

もし言葉の面で不自由があれば、それだけでもどれほどの苦労か。

食材調達については私も以前住んでいたとき(2000年代初め)に不便をしていたので、実はこれが、心の一部では「行きたくないな~面倒くさいな~」って思う原因の1つになっていました。

昔はだいたい路上市場で調達。

後は、ごくごく限られた、外国人御用達の小さなスーパーに行くしかなかった。

でも、今回実際来てみると、さすがにあれから10数年。

ハノイの食材探し事情も大きく変わり、地場のスーパーでパック入りの肉や魚が「冷凍ではなく生で」買えるようになっていました。

葉物野菜が地場のスーパーで袋入りで買えるなんて、以前は考えられませんでしたが、今ではある程度手に入ります。

ただし、自分だけならまだよくても、子供がいれば、鮮度や農薬のこと、いろいろと気になってしまうのが実際のところです。

こんな状態で毎朝子供のお弁当を作らなきゃいけません。

お弁当の救世主であるウィンナーやプチトマトだって、気軽に頼れないんですよ!

ウィンナーは見た目怪しいし、プチトマトは一部のスーパーにしかおいてない。

そういう気苦労、奥様方は、誰にシェアできるでしょうか・・・旦那さんに理解してもらえるでしょうか。

人間関係もしかりです。

必ずしも気の合う人がみつかるとは限りません。

高層ビル住まいだと、エレベーターの待ち時間が億劫で、家から出たくなくなる、なんて話も聞きます。

学校のPTAもですね。

私も早速声がかかりましたよ。どこに行っても、学校関係は母親の役目なのか・・・と若干うんざりしてしまう瞬間です。

学校のこと、教育のこと、子供の成長のこと・・・ 楽しいこともたくさんあるけど、もやもやすることも多い。

駐妻が気楽だなんて、誰が言うのか。

旦那様には、共感して欲しい、まではいいません。話を聞いて、いや、耳を傾けて欲しい。

これが、奥さんと子供を連れて海外赴任する男性が、気をつけなければならないことのような気がします。私が言うのも誰目線だ、って感じですが。

まあ私には、聞いてくれる旦那さんもここにはいませんけどね。ワンオペですから!(笑)

そして自分の3週間ほどを振り返る

朝からエモーショナルになっていたせいか分かりませんが。

調査に行く道中、タクシーの中で流れゆく街並みをみていたら、なんだかぶわっと涙があふれてきました。

ここまで来る手続き、ぜんぶ自分でやったよ・・・。

外部から助成金も獲った。

家が見つかり、生活が始まった。

銀行も開設して、子供の学校の学費も払えた。

子供も学校に通ってくれている。

自分もやるべきことを少しずつでも進められている。

全部やった・・・なんだかようやく一息ついた感じ。

そして、以前私をこの国での仕事に派遣した職場のこと、そこを辞めて以来、孤軍奮闘してきたことまでもが思い出されて、涙がとめどなく流れてしまうのです。

目的地に着くまでに、必死に涙を止めました。

なんだか今日は、エモーショナルな1日でした。




2 件のコメント

  • はじめまして!今年の8月にハノイに子供と日本より移住しました母親です(1年半~2年の予定です)。現在は私の勤務先に娘を通わせながら、ワーキングマザーをしております。娘との初めての二人暮しin Vietnam(学生時代はイギリスに短期留学し、その後仕事で海外買い付けにも従事していましたが、初の長期移住です!)、来年からの娘の小学校進学について、住まいについて、夜な夜な調べている際にこちらのblogに出会いました。本当に全ての記事が今知りたいこと、考えていることでして、母1人の子連れ海外にも大変共感し、思わずコメントさせて頂きました!是非これからも勉強させてください!

    • RN様、

      コメントをどうもありがとうございます!
      だいぶ前にコメントを頂いていたのに、ご返信が遅くなり申し訳ありません。
      毎日のバタバタにかまけて、全くブログに手を付けられておりませんでした。
      ワーキングマザーをされつつハノイで子育てをされているのですね、本当に尊敬します(私なんて、ぶっちゃけゆるゆるです。。。)
      正直、誰に見てもらっているのかも分からずやっておりましたが、実際に読んで頂けている方からコメントを頂けて最高にうれしいです。
      山有り谷有りで毎日生活していますが、とにかく「がんばらない」ということを日々実践しております(笑)
      母1人の海外長期生活を決意される方ということで、おそらくとても、「頑張ることができてしまう」方だとお察しします(勝手にすみません)。
      無理せず、できれば毎日楽しく、やっていけたらいいですね!
      こちらこそ、いろいろ教えて頂ければ嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。

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