大家と私の不思議な協同生活①~始まりのきっかけ~




民泊状態を脱出して、アパート暮らしになって約10日が経ちました。とは言っても、民泊していたアパートの、まさに同じ家に住み続けているわけなのですが。

そして、民泊のオーナー(=アパートの部屋の大家さん)が、週2日、うちでごはんを食べて、そして泊まって朝帰る、ということになったという怒濤の展開。

なんでこういうことになったのか?今回はそのいきさつを綴ります。

アパート探しの顛末

子連れハノイ生活を始めるにあたって、当然必要なのが「家」です。駐在の場合は、会社がいくつかみつくろっていて、その中から選んだりする場合が多いと思います。あるいは、留学生の場合は、寮であったり、ホームステイをしたり、安いアパートを探したりするのかと。私は一応、留学生という立場なので、シングルであったならば大学の寮に格安に住めるのですが(大学からの資料によれば、月200万ドン=月約1万円)、しかし大人1人+子供2人が住めるほどの、ファミリータイプの部屋がある寮はありませんでした。

なので、自分で家探しをしなければいけません。

そのため、日本にいた時から、ウェブサイトを通じて、いくつかの不動産会社に連絡を取っていました。

  • 日系不動産会社2社
  • ローカル不動産会社4社

なんでこんな多くなったかって?それは返事が来なかったり、ホームページ上には写真がある物件なのに、問い合わせたら「ありませんでした」なんてことがあったからです!(空き物件じゃないならウェブ上から消せよ・・・サクラ物件を疑うよ)。

日系1社に関しても、返事がこないからもう1回質問がてらメールを送ってみたら、「ご希望にあてはまる物件は今はない状態です」の一言で終了。ん?他の会社は何軒も選択肢を送ってくれているよ??

本当に、会社によってサービス(熱意)はバラバラです。

で結果的に絞られたのが、日系1社とローカル1社。日系1社はとても親切に親身になっていろいろ教えてくれたのですが、いろいろ上乗せされて(仲介手数料等)非常に高くなる・・・。安心料と思えばそれまでなのですが、もっと別の選択肢はないか?

なので、ハノイに着いたら、まずはローカル不動産が提示してきた物件を見て回る予定を立てました。

ハノイに着いて2日目。ローカル不動産会社の担当者と一緒に物件を見に行きました。ローカル社にお願いした物件は、実は絞っていました。今民泊している集合住宅の中で探してほしい、という1点です。

民泊しているアパートは、子供が通う予定の学校にも近く、私の大学にもそれほど遠くなく、そして何より子供を自由に遊ばせられる場所があります。日本にいながらも、「ここに住めたらいいなあ」と思っていましたが、でも写真以上の情報を得ることは、日本にいたらできません。

なので、民泊しているうちに、そのアパートの環境(まわりの音がうるさくないか?まわりの住人はどんなか?買い物の便はどうか?)などを見極めて、もし気に入ればその集合住宅内で空き部屋を探すし、もし気に入らなければ別のアパートを探せばいいと思っていたからです(日系会社の方では、予算内で幅広く候補を挙げてもらっていました)。

ちなみに、民泊している集合住宅は、いわゆる富裕層ベトナム人向けの分譲住宅です。主にベトナム人が住んでいるんですが、買った部屋を他人に貸して家賃収入を得ているケースが多くあるんです。部屋ごとに当然家主が違うので、部屋に備え付けられている家具も、部屋によって違います。内装のセンスとかもね。

3部屋見に行ったんですが、2ベッドルームのはずなのにベッドが1つしか置かれてなかったり、皿やコップすら買われていない部屋もある・・・。逆に、設備十分・窓からの見晴らし良好の部屋もありましたが、やはり値段的に厳しい・・・。

どうしようかなぁ・・・子供の遊び場はなくても、もっと安いところに行くかな・・・とかなり迷っていたところに、民泊のオーナーから、「家探しどうなった?」とメールが来ました。

「今悩んでる。どこも値段的に高くて厳しいわ・・・。」というような返信を送ったら、

今の部屋、長期で貸すけどどう?

との返事が。

え?この部屋、普段は自分たちが住んでいる部屋だよね?民泊させている日以外は、自分たち(自分と子供)が住んでいると聞いていました。だから、基本的には民泊も月に1~2回くらいの受け入れにしようと思っている、というような事を聞いていたのですが(ちなみに、民泊で貸している期間は、オーナーさんは実家に帰っているのです)。

本当は、日本にいる時は、民泊の部屋を長期貸ししてくれたらいいなーなんて思ったこともあったのですが、実際来て話しをしてみたら上のような事情だったので、「あ、ここでの長期契約はないな」とあきらめていたのです。

だから、オーナーからそんなオファーがあったことに、まずびっくり!

しかし、その長期貸しにも「条件」がついていました。その条件とは、「週に2回、自分と子供が、夕方にアパートに来て、寝て、そして翌朝帰ること」でした。

オーナーの意図

もともと長期貸しをするつもりがなかったオーナー(女性)が、なぜ長期貸しをする気になったのか?ということなのですが、彼女曰く、

  • 民泊サイト(aribnb)も、客の出入りが不安定だし、出入りの度にいろいろとやらなければいけないことがあるから大変。でも長期貸しなら収入も安定するし、airbnb運営のためのやりとりも減らすことができる。
  • 自分の子供(2才半)は一人っ子で、今はじいちゃんばあちゃん(彼女の父母)のところにいるけど、自立心があんまりないから、もっと他人と接する環境を作りたい。そのためにこのアパートを買った(注:アパートにはプールと広い子供の遊び場があります)。だから、長期貸しをしてもいいけど、子供には遊べる環境を確保しておきたい。
  • 子供(保育園児)は、今年から英語園に行ってる。多言語・多文化環境におきたい。
  • あなたの家族と接してみて、少しの時間ではあったけど、とても信頼できると感じたから。

ということでした。

オーナーとしては、少し自分に不便が生じたとしても、我慢しなければいけないのは半年ほど。逆に、お金の面ではかなりの得となるので、そのようなオファーをしてみようと思ったのでしょう。

あと、子供のため、というもの、すごく感じました。彼女自身、外資系の自動車会社に勤めている会社員で、英語を日常的に使う環境にいる人です。今、ベトナムでは英語学習熱がものすごく、「英語はできてあたりまえ」というような風潮で教育が行われています。なので、幼いころから「外人慣れ」しておくことは、子供にとってもよいのではないか、と思ったのだと思います。まあ、うちの子達は、英語話せないんですけどね^^;

私のメリットとリスク

そんなオファーを受けて、私のアタマをぐるぐる巡ったのは、まず自分にとってのメリットです。

  • 今いるところにそのまま住める→引っ越しをする必要がない
  • このアパートの部屋を外国人が借りる時の家賃相場より、相当安く住める(彼女曰く、ベトナム人がベトナム人に貸すくらいの値段)。その上、家賃に水道・電気・wifi・TV料金を含めてくれているので、自分で別途それらの支払いをしなくてもよい。
  • 彼女の言葉を借りれば、「多文化・多言語環境」を、自分の子供達に経験させてあげることができる。
  • 私のベトナム語の練習になる。そして現地調査に関わる分からないことを聞ける、貴重なベトナム人を確保できる(打算的)。

確かに、週2日とは言え、いわゆる赤の他人と寝食を共にするということは、煩わしいことも出てくると思いましたが、実は今回ハノイで子連れ留学するにあたって、女1人子2人、閉じられた空間で煮詰まってしまうのではないか、ということが心配事の一つでした。

でも、たまにでも他の人が遊びに来てくれれば、自分も子供も気分転換になるんじゃないか?と思ったのです。夕方5時半(自分と子供がそれぞれ仕事・学校から帰ってくる時間)から、翌朝の8時(仕事・学校に行く時間)まで、そんなに時間は長くありません。

このことを自分の母親に相談したら、「彼女もさみしいんじゃない?」と。実は彼女は、旦那さんが遠くに単身赴任で出ていて、帰ってくるのは週末だけなんだそうです。彼女自身も母1人子1人の生活をしている人なんですよね(まあ近くにじいちゃんばあちゃんとお手伝いさんはいるけど)。

そして、私にとってのリスクは、

  • 週2回という約束が、続けるうちになあなあになって、週3回、週4回・・・とかになったり、滞在時間が延びたりしないか。
  • 公安への居住者登録はどうなるのか。不動産会社を仲介して部屋を決めれば、このあたりの手続はオールクリアになるはずだけど、個人契約だとこの辺がしっかりできるのか。
  • ベトナムでは、大家の権力が圧倒的に強い(日本とは逆)。もし彼女が私達を気に入らなくなって、「出ていって」と言われてば、私達はすぐさま出て行かないといけない。

考えると、なかなかの不安定さです。なので、これらの懸念事項についてちゃんと話をしなければいけないと思っているところ、彼女からぜんぶ先に、「このことについてはこうしようと思うけどどう?」というような提案がくるのです。

それらのことを一つ一つ重ねていくと、私も、「この人なら信頼できる」「この人とならやっていかれる」という感触が生まれて来ました。

一つ、「こればかりはやる前は決められないから、やり始めたら臨機応変にやろうね」となったのが、「夕飯の準備」です。基本的にはウチもつくり、彼女もつくる。でもどっちかが忙しいときは、どっちかが多めに作る、みたいな。

彼女曰く、「お互いが楽になるように」やろう、というのがこの協働生活の考え方。それはこっちとしては完全に同意、というか、むしろほんとうに有り難いオファーでしかなかった、というのが正直なところです。

まあ、日々の生活のなかで臨機応変に変えなければいけないことは当然でてきます。それは私の方とて同じで、私の方から「これはこう変えたい」ということも言うこともあるでしょう。それは自分としても、我慢しないで伝えていこう、と思いました。お互い我慢しても続かないから。

この関係を続けられなくなること、それがこの関係での私達にとっての最大のリスクで、不確定要素です。

大家と私の奇妙な関係のはじまりはじまり

ベトナム人はたいていがなあなあな感じなのですが、しっかり細部を詰められる人はほんとうにしっかりと詰めることを、私はこれまでの経験から知っていました。ちなみに私がこれまで信頼できると思った少数のベトナム人は、全て女性です。彼女もその部類なのだろうと感じ始めました。

若干の見切り発車的な感じも否めませんでしたが、私の最大の懸念事項であった、

  • アパートへの住民登録
  • 賃貸契約書の作成
  • 地区公安への居住者登録

を彼女がささっと済ませてくれたので、私の不安もだいぶ解消されました。特に公安への登録ですね。これで正式な「ベトナムに住む外国人」になることができました笑。

さあ、お互いのギブアンドテイク的な思惑から始まった、この奇妙な同居(?)関係。さてこの先どうなるでしょうか!?




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